クラピアを庭に植えると、芝生とは少し違った、濃い緑色のじゅうたんのような景観を作れます。

ふかふかと厚みのある芝生に対して、クラピアは小さな葉が地面を這うように重なり、低く密な緑のマットのような景観になります。

私はクラピアを15年ほど育てていますが、春に小さな新芽が出て、初夏に庭全体が一気に緑へ変わっていく様子は、何年見ても気持ちのよいものです。
しっかり根付いたクラピアは裸足で歩くことができます。芝生はチクチクしてしまいますが、クラピアはペタペタ・ひんやりとした感触で、そのあたりも魅力のひとつです。

ただ、緑のじゅうたんのような庭にするためには、ある程度の管理が必要になります。
年に数度の刈り込みが必要で、伸びすぎたランナーを整理する必要もあります。しかしその管理も、芝生に比べれば相当ラクだと思います。
多くの魅力があるクラピアを、「庭」という視点で詳しく紹介します。
- クラピアの庭ならではの魅力
- クラピアと芝生の違い
- 刈り込み、水やり、雑草対策などの管理
- 植える前に知っておきたい注意点
- 初心者と園芸経験者に合った購入方法
クラピアの庭の魅力
芝生とは違った濃い緑のじゅうたんを作れる
クラピアと芝生は、どちらも庭の地面を緑で覆う植物ですが、完成した庭の印象はかなり違います。
芝生は細長い葉が上へ立ち上がり、一定の厚みを持った、ふかふかした景観を作ります。
一方、クラピアは横へ伸びるランナーから小さな葉を出し、葉と葉を重ねながら地面を覆います。地面へ密着するように育つため、きれいに管理されたクラピアは、緑色のじゅうたんを敷いたような見た目になります。

クラピアは開発から数十年が経ち、全国各地で愛好者が増えています。
芝生とは違った低く広がる緑の庭を作りたい方には、クラピアはとても魅力的な選択肢だと思います。
裸足で歩きたくなる気持ちよさがある
しっかり根付いて全面を覆ったクラピアは、素足で歩くことができます。ペタペタとした、ひんやりとした緑の表面を歩く感覚は、芝生では味わえない気持ちよさがあります。

また、クラピアは適度に踏まれることで葉が小さくなり、草丈の低い、より緻密なマット状へ育ちやすくなる性質があるため、踏まれることが多い庭の方が向いていると言えます。
夏の庭の温度を下げる効果も
クラピアが地面を密に覆うと、土へ直射日光が当たりにくくなります。
さらに、葉から水分を放出する蒸散作用も加わるため、裸地や人工芝と比べて、夏の地表温度の上昇を抑えやすくなります。

地球温暖化による猛暑を快適に過ごす上で、クラピアの庭を積極的に選ぶケースは、今後増えてくるかもしれません。
クラピアは芝生の代わりになる?
結論から言うと、一般家庭の庭で、クラピアは芝生の代わりになります。
ただ、見た目や手入れ、花、冬の姿、広がり方がかなり異なるため、以下のポイントを押さえておきましょう。
クラピアと芝生の違い
| 比較項目 | クラピア | 一般的な日本芝 |
|---|---|---|
| 葉の形 | 小さく丸みのある葉 | 細長い葉 |
| 広がり方 | ランナーで速く広がる | ほふく茎や地下茎で広がる |
| 刈り込み | 比較的少ない | 生育期は定期的な芝刈りが必要 |
| 花 | 白・薄ピンク・ピンクの花 | 花は目立ちにくい |
| 雑草対策 | 葉が重なり、種が土へ届きにくい | 葉の隙間から種が地面へ落ちやすい |
| 水やり | 全面被覆後は基本的に少ない | 夏季に水やりが必要になる場合がある |
| 冬 | 茶色くなり休眠する | 日本芝も冬は茶色くなる |
| 踏圧 | 踏まれても大丈夫 | 品種によっては強い |
| 境界管理 | 長いランナーを切る | 芝の根止めや際刈りが必要 |
繁殖力が強く、猛暑にも踏圧にも強い
クラピアは繁殖力が旺盛で、乾燥にも猛暑にもとても強いです。
私のクラピアの庭では、猛暑が続く時期でも水やりや施肥はほとんどしません。
また踏んでも大丈夫どころか、踏まれたほうが密に詰まった美しい庭になりやすいです。

花を楽しむか、緑をそろえるかを選べる
クラピアは春から夏にかけて、小さな花を咲かせます。花を残せば、白やピンクの花が点々と広がる、可愛らしい雰囲気の庭になります。
一方、私のように、花よりも濃い緑色のじゅうたんを作りたい場合は、花茎が伸びる時期に刈り込みます。

同じ品種でも、全く違う印象に育てることができるのも、もしかしたらクラピアの魅力かもしれません。
雑草は生えにくくなるが、ゼロにはならない
クラピアは完全に被覆すると土が全く見えなくなるくらい目が詰まります。
そのため、風で飛んできた雑草の種が土まで届きにくくなり、土の中にある種にも光が届きにくくなるため、雑草が生えにくくなります。

それに対して、芝生は細長い葉が上を向いているため、葉の隙間から雑草の種が土に入り込みやすいと言えます。

ただし、クラピアを植えれば雑草が完全になくなるわけではありません。
スギナ、カタバミ、チガヤ、ハマスゲなどの地下茎が残っている場合、クラピアの隙間から出てきます。
なので、植え付け前の雑草取りは、その後の管理を考えると、とても大切な工程になります。

種で勝手に遠くへ広がらない
現在販売されているクラピアは、種を作らない不稔性の登録品種です。
ランナーでは旺盛に広がりますが、種が風に乗り、離れた場所で発芽する植物ではありません。庭の外へ伸びたランナーを切れば、生育範囲を比較的管理しやすい点も、庭へ植える植物としての利点です。

上の写真のように花壇に乗り越えてランナーを伸ばしたとしても、カットしてしまえばよく、管理は大変ではありません。
クラピアの庭は管理が楽
クラピアは繁殖力が旺盛なので、いかに育てるか?よりも、伸びすぎたものをどうするか?を考えることが管理と言えそうです。
草丈が伸びすぎたり、水をやりすぎたりすると蒸れてしまい、高温時に病気になりやすくなるので、「短く刈り込む」「乾燥気味に育てる」というのが、私の考える基本的な管理方針です。
刈り込みは年2~3回
芝生の場合、きれいな高さに保つには、生育期に毎週のように芝刈りを行う必要があります。
しかし、クラピアは基本的に横へ這う植物なので、芝生ほど頻繁に刈る必要はありません。私の庭では、主に6~8月に、年2~3回程度刈り込んでいます。

緑のじゅうたんのような状態にするには、刈り込みが管理の最大のポイントになるため、以下の記事で詳しくまとめたので、ぜひ読んでみてください。

水やりはほとんど必要なし
私の場合、猛暑の時期でも、水やりや施肥はほとんどしていません。少し極端に聞こえるかもしれませんが、真夏に全く水を与えなくても、クラピアが弱った様子を見たことはありません。
例外として水やりをするのは、強く刈り込んだ後です。葉や茎を大きく減らしたときだけ、回復を助けるために水を与えています。
ただし、これは十分に根付いたクラピアの話です。植え付け直後は根が浅く、乾燥に弱いため、土が乾いたら水やりをしてください。庭にしっかり定着するまでは、水切れさせないことが大切です。
施肥のタイミング
クラピアは太陽の光だけで十分すぎるくらいに育つので、基本的に肥料を与える必要はありません。肥料を多く与えると、クラピアが上へ伸びやすくなり、刈り込みの手間が増えてしまいます。
施肥が必要なタイミングは、植え付け時と、刈り込みをした後です。
特に植え付け時は、根付きと初期成長を助けるために元肥を入れます。肥料が根へ直接触れると傷むことがあるため、植え穴の土へ少量を軽く混ぜてから苗を植えます。
刈り込みをした後も私の場合は施肥はしませんが、1年に1回程度、緩効性肥料を少量与える程度で十分です。
クラピアの庭の注意点
日当たりの悪い庭には向かない
クラピアは日光を好み、完全な日陰では成長しづらいです。水も肥料もほとんどいらないクラピアですが、太陽の光だけは必要です。
日照が不足すると、地面へ密に広がらず、光を求めて茎が上へ長く伸びます。葉も大きくなり、想像していた低いじゅうたんとは違った姿になることがあります。
光が当たらない環境でもクラピアは育ちますが、緑のじゅうたんを目指すのは、残念ながら諦めたほうがいいです。
冬は茶色くなる
クラピアは多年草ですが、常緑ではありません。
気温が下がると休眠へ向かい、寒い地域では葉が茶色くなります。翌春に気温が上がると、残った茎から再び新芽を出します。
私の庭(千葉)では、冬も一部分は緑色の葉が残りますが、3分の1くらいの葉は枯れて茶色や灰色になります。
また雪が積もったり霜に当たったりしても、根付いたクラピアであれば大きな問題はありません。春になると一気に芽吹き、清々しい緑を楽しめます。
クラピアを賢く購入する方法
初心者は肥料やマニュアルが付いたセットがおすすめ
初めてクラピアを植える場合は、苗だけでなく、植え方マニュアル、元肥、活力剤などが一緒になったセットを選ぶとよいでしょう。
セット内容はネットのショップで、特色があるので、私のオススメをいくつか紹介します。
- 植え方マニュアル
- 元肥
- 活力剤
- 必要に応じた土壌改良用品
【ポチップ:マニュアルつきのおすすめ】
【ポッチ:充実したセットのおすすめ】
園芸用品を持っている人は苗だけでよい
一方で、園芸の経験がある方であれば苗だけの購入でも良いでしょう。
クラピアの場合、40ポット以上では各販売店の価格は単価550円で統一されているので、無料でマニュアルがついている所がオススメです。
また、少量の苗を試しに購入したい場合は、最安値で24ポット数から販売している日光種苗がオススメです。
また、楽天のみですが、最安値で20ポットから買えるのはサンツーだけです。
クラピアはネットでの購入が基本になりますが、詳しい買い方をまとめたので、こちらの記事も参考にしてください。

クラピアの庭に関するよくある質問
クラピアを植えれば草取りは不要ですか?
完全に不要にはなりません。
地面を密に覆うと雑草はかなり生えにくくなりますが、地下茎が残った雑草や、クラピアの隙間へ落ちた種から雑草が生えることがあります。
特に全面被覆するまでの期間は、雑草を見つけたら小さいうちに抜くことが大切です。
クラピアの庭は一年中緑ですか?
一年中緑ではありません。
寒くなると休眠し、地域によっては12月頃から3月頃まで茶色くなります。春に気温が上がると新芽を出し、再び緑の庭へ戻ります。
クラピアの上にテーブルやプールを置けますか?
短時間であれば大きな問題になりにくいですが、長期間置いたままにすると、日光が遮られて葉が弱ります。
テーブルやプールを使った後は場所を移動し、クラピアへ日光と風が届くようにしてください。

上の写真は、散水ホースを置きっぱなしにして跡が残ったクラピアですが、2日程度で回復しました。
まとめ|クラピアで芝生とは違う緑の庭を楽しむ
クラピアは、芝生とは違う濃い緑のじゅうたんを作り、裸足で歩く心地よさや、夏の庭を快適にしてくれる魅力があります。
多少の刈り込みやランナー整理は必要ですが、手をかけた分だけ美しく育ち、庭への愛着も深まります。ぜひ、自分だけのクラピアの庭を育ててみてください。

